威厳を上手く使う～嘘の格言でも説得力が増す～

過去の偉人や有名経営者の言葉を載せた名言集や格言集は数多く出版されています。１０万部以上売れている書籍もあることから、人は名言や格言に何かしら魅力を感じてしまうことが分かります。さらに言えば、その言葉が例え誰かのでっち上げであっても信じてしまうという結果があります。イングランドの大学のある博士は29個のことわざとそれに相反する嘘のことわざを学生に見せました。例えば「苦労をした人ほど幸せが多い」という意味の格言があるとします。これを「苦労をし過ぎると不幸が待っている」というような嘘の言葉を作り。それがどれほど真実味があるかを検証しました。すると、ほとんどの大学生が本物のことわざと同じくらいの真実味があると評価したのでした。

上記の研究結果から名言、格言のような雰囲気さえあれば、それが嘘だとしても真実とし評価されます。例えば、友人の恋愛相談に乗っている時「いや、もっとデートを重ねてからでも……」と言っていれば「もう３回もデートしているんだろう？相手も告白を待っているよ！【石橋も叩きすぎれば壊れる】っていうじゃない！」などとありもしない格言を出すことで説得できてしまう場合もあるのです。

もちろん、その場に応じた本物の名言や格言を知っていればわざわざ嘘をつく必要もありません。普段から使えそうな名言や格言をストックしておくのも交渉を優位に進めていく有効手段となるのです。