1 2 3 4 5 「マーケティングの売上」のあとがき 失敗は成功への近道 失敗から成功へのシナリオを作り出す方法 今まで何の失敗もなく、ビジネスを進めてこれた人は、おそらくこの日本中に一人もいないのではないでしょうか?大なり小なりビジネスを進めていく上で失敗は付きものです。 それは決して恥ずかしいことではありません。逆に言えば、私はどんどん失敗の経験を積むべきだとも考えています。このあとがきで、みなさんにお伝えしたいことは、失敗をしない方法のお話ではなく、失敗をどう次に活かし、成功へのシナリオを作り出していくことが、いかに大切なことなのかを少しでもお伝えできればと思い、文章にしてみました。 物事を点で捉えるのはなく、点と点を線でつなぎ、面で捉える ここで一つの事例を紹介させてください。 私の古い友人のAさんはハンドメイドの愛犬用アクセサリを扱っているECサイトを運営していました。売上は競合が多い市場のため、あまり芳しくありませんでした。 アクセス解析をしてみると、30代の女性が多くアクセスをしてサイト内を巡回してくれているのはわかったのですが、その大半は何も買わずに離脱している様子でした。 商品を買わなかったがページを巡回した事を考えると商品に全く興味がなかった訳ではなく、興味は持ったが購入に至るだけの「決め手」が無かった可能性が高いと仮説を作ってみたのです。 決め手に欠けたのは「価格」だったのか。はたまた「商品情報の不足」「色が気に入らなかった」「商品を自分で使ったイメージがつかなかった」「商品が生まれるまでのストーリーがなく心が動かされなかった」のか… このように最初に仮説した「決め手のなさ」から次の点を見つけ出し、次から次へと「線」で繋ぐ事でストーリーを改善するための方法を展開をしていったのです。 そして出来上がったストーリーを検証し、一番可能性の高いものから改善施策へと落とし込んで行き、顧客満足度の向上を目指してみたのです。 では、Aさんは具体的にどうしたのでしょうか? サイトにアクセスしてくれた人は、少なからず興味を持っていただいていると感じたAさんは、「決め手の無さ」が「実際に自分が使用しているイメージが沸かない」と仮説を立て、以下の施策を施しました。 商品写真だけだったECページを友人の協力を得て、小型犬・中型犬・大型犬が商品を着用したイメージ写真を掲載し、自分の愛犬での使用イメージを沸かせるような努力を行いました。写真も1枚・2枚ではなく、室内・室外とあらゆるシチュエーションを想像しながら何十枚と掲載したのです。 また、この商品を作ったストーリーや込められた想いなどをアピールし、共感を武器に商品をファンを増やす戦略に変更しました。その結果、商品購入後もリピーターとなってくれる顧客が増え、口コミでの新規顧客の開拓も行えるようになったのです。 失敗は恥ずかしいことではない。成功のシナリオを作るための経験値である ビジネスで成功している人の大半は、過去に大きな失敗を経験しています。そして、成功する人と失敗する人の大きな差は、失敗を経験と捉えるか、恥ずかしいことと捉えるかの考え方の違いと、その失敗の経験を「経験値」に変えることができるかどうかにあります。 失敗の経験は、改善するために行動して初めて「経験値」として次に活かせる力に変わります。行動結果を事前に予測し、そして実際に行動し、結果どのような事象が起きたのかを的確に捉え、その先に活かす力のことです。 そして、その経験値を上手に活かしていくための考え方が、この章でお話ししてきた、「ビジネスの本質を見極める」なのです。本質の理解がないと、どんなに経験を積んだとしても、同じ失敗をまた繰り返してしまいます。 同じ失敗を繰り返さないためにも、物事の本質を見極めながら、次にどう活かしていけるかを日々考え、成功へのシナリオを作っていってみましょう。 かくいう私も過去に多くの失敗を経験してきました。 そして、経験は財産だと思っています。むしろ、成功の経験より失敗の経験の方が大切だと感じています。 ですので、失敗を恐れずどんどん行動し、成長につながる「経験値」をいっぱい溜めていただき、あなたのビジネスがより成長することを心から願っています。 1 2 3 4 5 前に戻る
7章の収録内容 マーケティングの公式【売上】 モデリングの重要性 ビジネスはモデリングが肝ビジネスの本質を見極める ビジネスモデルの具体例物を販売する ビジネスモデルの具体例スキル・知識を販売する ビジネスモデルの具体例お金を販売する モデリングする上での4つのポイント① モデリングする上での4つのポイント② モデリングする上での4つのポイント③ 公式に数値を当てはめて売上予測を出す あとがき失敗は成功への近道