「自分らしさ」から
テーマを発掘する
6つの具体的なテーマの探し方
「自分らしさ」が必要不可欠
成功するビジネスのテーマには多かれ少なかれ「自分らしさ」が必要不可欠です。「自分らしさ」がないビジネスのテーマだと、継続させていくことは容易ではありません。企業に属して働くとしても、ある程度の「自分らしさ」の上に乗っていなければ、転職を考えたり、「自分が本当にやりたかったことはこれだったのだろうか?」などといった悩みを生み出すことになります。
最終的に着地するテーマが、どんどん変わっていくことはありますが、テーマが生まれるきっかけは、常に「自分らしさ」から発生するべきなのです。やりがいを持って継続できる事業テーマを発掘することが、ビジネスを長期で行い、成長させるためのコツと言っても過言ではありません。どんなビジネスでも「もっと発展させたい」「お客に還元していきたい」と思えるような情熱を、注げるかどうかがポイントになります。つまり、まずは「自分らしさとは?」を探るために自分と向き合うことが、テーマ設定の上で非常に重要になります。
では、自分らしさ
とは一体何でしょうか?
どのように見つけていけば
良いでしょうか?
自分らしさを自問自答しようとすると、自分には何もない!と諦めてしまいたくなるかもしれません。しかし、次項からの「自分のコアを探す6パターン」を参考に読み進めてもらえれば、どんな人でも、自分らしいテーマを最終的に発見できるはずです。
自分では価値があると思っていたことが、第三者から見た時に価値がない場合もあれば、逆に自分では当たり前に感じていることも、第三者から見たときに価値を感じられる場合もあります。自分の長所や特技を再認識するとともに、自分の知らない自分、気づいていなかった秘められた価値を発掘していくことで自己理解を深めていきましょう。
今回はあなたらしさ、あなたのコア・コンセプトを徹底的に理解するための、テーマ設定分析ワークシートを本書公式サイトにご用意しています。時間のある時に是非取り組んでみてください。骨が折れるワークになりますが、これによって得られたテーマが、この先一生の仕事になるケースもあるのです。そして、そのテーマに基づいたビジネスが成立した時には、今まで自分のやってきたことを好きになり、自分を認めることができるようになるはずです。その結果自分に自信が持てるようになり、それ以降のビジネス発展にも大きくつながるのです。
焦って考えなくてもいいので、今の自分とじっくりと対話し、まだ自分が知らない自分自身を見つけていきましょう。本書の冒頭でも触れた、「仕事ってなんだろう?」を改めて考えるきっかけにしてください。次頁から具体的なテーマの探し方を説明していきますので、絶対にこれらのワークは欠かさずに取り組みましょう。
自分のコアを探す6パターン
1.コンプレックスから探す
自分の力で克服したコンプレックスは、ビジネスのテーマにしやすい要素です。例えば、体型が気になってダイエットしたことや、病気を克服したことなど。自信がなかったところや悩んでいたことから、自信を築き上げたことはテーマになります。自分自身の克服体験をもとに、同じコンプレックスを抱えている人の問題も理解し、寄り添うことができるできるという証拠が提示できれば、そのテーマは有効です。コンプレックスや悩んだことをテーマにするというのは、その道のプロの人には勝てないんじゃないか、という疑問を抱く方も多いのですが、実はコンプレックスや悩みを実際に持ったことのある人の方が強い分野でもあります。
あなたがもしその分野で悩んだことがあれば、同じように悩んできた一般の消費者に対して発信したりアドバイスをする情報の内容に深みが出ます。悩んだことのない人のアドバイスよりも、同じように悩んできた人の方が共感もできるし「ああ、この人はわかってくれてるな」と思ってもらえます。コンプレックスと向き合うことは、ときに苦しくもありますが、あなたが悩んだように今悩んでいる消費者を救ってあげたり、問題を解決してあげることができる1番のポイントでもあるのです。
2.積み上げてきたことから探す
今まで自分のお金、時間、情熱を注いできたものはテーマとして説得力があります。資格を持っているならその資格を取りたい人に勉強法を教えたり、スポーツに打ち込んできた人はそのスポーツのコツなどを教えたりすれば、それはビジネスのテーマになります。
これはもっとも一般的なスタイルですが、逆に今までの積み上げの高さが重要になってくる方法です。しかし、その積み上げの高さは何もプロレベルや、専門家レベルである必要はありません。自分が時間やお金をかけてきた分野であれば、全くその分野に関わってこなかった人とは比べ物にならないからです。例えば家庭教師をするとして、東大生である必要がないのと同じように、大学生であれば高校生に、高校生であっても中学生小学生に対してであれば、勉強を教えることができます。
どんな人をターゲットにするかによって必要な積み上げの高さも変わってくるのです。もしテーマにできるほどの積み上げの高さではないと感じる場合は、他のテーマと組み合わせることによって効果を発揮します。
3.使命から探す
自らが「使命」と感じているものをテーマにする方法です。「絶対にこれがしたい!」「これは自分がやらなくては!」と強く思えるものです。「使命」となるとその分モチベーションが高く、結果的に継続力も高くなります。そして、ビジネスは継続力が高ければそれだけでブランドとして価値を持ちます。しかし、使命感が高いものはマーケティングの工夫が肝になります。ただただ、使命なんだ!と叫んでも人は共感してくれないでしょう。
使命感から需要のないものを作ってしまうこともよくある失敗パターンです。使命を提示するときは「共感を起こすようにパッケージングする」という工夫をしましょう。ここでいうパッケージングというのは商品の見せ方や伝え方を考えるという意味で、自分の伝えたい想いや使命を、消費者が手に取りやすい(取りたくなる)形にするということです。自分が使命と感じるものも、このようにパッケージングを工夫することで共感を得やすくなるということがポイントです。
4.才能から探す
自らに才能があるテーマをビジネスにするパターンです。人より卓越した能力を前に出すことでマーケティングをしていきます。優秀な経歴や受賞歴など、発信に権威性を感じられるようなものが有効です。しかし、この「才能から探す」アプローチは一般の方には当てはまらないのが普通です。
もしあなたに特別な才能がなかったとしても落ち込むことはありません。「積み上げてきたことから探す」の中でも特に顕著な実績を残せたものや、何か積み上げたことはないけれど気がついたらできていた、もともとできていたこともこれにあたります。持って生まれた才能や、後天的に身についた経歴、肩書きなども、コアを探すための様々なアプローチのうちの1つになるということです。また、自分では才能があると思っていなくても第三者から見て才能があると思われるようなものもこれに含まれます。
5.自分の理想の世界の
実現方法から探す
「こういう世界になったらいいよね」という共感型のテーマ設定方法で、同じ考えを持つ人たちに呼びかけ、仲間になることから始めるのが基本のビジネススタイルです。
そのため、オンラインで完結させるだけでなく、実際に会ってコミュニティ型のビジネスを強化することも重要です。「理想の世界の実現方法から探す」場合は、自分がそれを実現している必要はありません。むしろコミュニティ型のビジネスにしていき「一緒に作っていこう」というスタンスでビジネスを展開することが効果的な場合もあります。
例えば歌手やアーティストで世界の平和や愛を歌ったものなどはこのケースに近いです。「一緒にこんな世界を作ろう!」というような投げかけに共感したファンがその歌手やアーティストを応援してコミュニティを形成していきます。
6.現在勉強しているものから探す
現在取り組んでいるものへの情熱を、勉強しながら発信していくスタイルで、自分も習得中のことをビジネスにするため、習う側からアウトプットしていくモデルといえます。
この方法では知識の豊富さよりも「アウトプットの上手さ」が重要になるため、コピーライティングや動画でのプレゼンテーションが得意な人が取り組むか、それを鍛える必要があります。最初のテーマとして「現在勉強しているものから探す」から選んでいくのはハードルは高めですが、本書での学びを通してコピーライティングなどアウトプットのスキル、「伝える力」が向上したらぜひ挑戦してほしい方法です。今から身につけるものをテーマにしていくということなので、そのテーマを習得することで、さらに新しいビジネスを様々なジャンルで展開していくことも可能です。