仔犬契約法～ほとんどの人が仔犬を買ってしまう交渉術

お互いが利益を得るために話をするのが交渉です。多くの人が「どれだけ好条件で契約できるか？」「いかに自分が損しないように契約できるか？」というように進める人が多いのではないでしょうか？しかし、お互いに己が有利になることだけを考え、交渉を行っても話は平行線のままです。そんな時は目先の利益にとらわれず相手が喜ぶことを考えて、実行するといいです。

目先の利益にとらわれず相手が喜ぶことを行う営業方法を「仔犬契約法」と言います。ペットの販売業者が「無料で仔犬を預かってもらい、１週間後に引き取る」と言って仔犬を預けると、ほとんどの人は仔犬に愛着がわいてしまい、そのまま購入するということから付けられた心理用語です。この手法を取り入れている有名化粧品会社は「初めての人には１０日分のサンプルを無料でお送りします」と宣伝し、購入前にまずは効果を確かめてもらい商品に対する信頼を高めるのです。

カリフォルニア州大学のシンドラー博士は「ビジネスで一番大切なのは信頼されること」と説いています。一度信頼を失ってしまえば回復させるには時間と労力が必要になり、結果として報われないこともあります。ビジネスを行う際は「相手にどうすれば信頼されるのか？」ということを考えて、目先の利益ではなく相手の利益を優先してあげる意識を持つことが、最終的には最も得するのです。