「納期」と「品質」どちらを優先するか?

「納期」と「品質」どちらを優先するか?

納期と品質のどちらを優先すればという話をすれば、ほとんどの企業が「納期を優先する」と答えるのではないでしょうか?今回はそんな納期トラブルによる私のしくじり話と、なぜ納期にこだわる方が多いのかエピソードで紹介します。

そのしくじりが起こったのは、夏から秋に変わろうとして肌寒いと感じる季節でした。当時私は自動車部品メーカーでエアバッグの研究開発をしていました。その日は取引先の依頼でエアバッグを1つを送り届けて欲しいとの依頼を受けていました。

正直このような依頼は1週間に1回はあることで何回も対応していて慣れていました。エアバッグを段ボールに包み、伝票を書きすぐにでも配送できる準備を整えていました。ただ、その日は上司や取引先とのミーティングでバタバタしており、肝心の配達業者の集荷場所に置くのを忘れていたのです。

送っていないことに気がついたのが残業を終えて帰ろうとしていた、21時。その段ボールを見た瞬間のヒリつきは今でも鮮明に覚えています。当日配達の締め切りが21時、納期に間に合わないことが確定してしまいました。私は冷や汗が止まりませんでした。

部屋の中には一際、納期に厳しい室長と私だけ。このまま見なかったことになんてできません。


「田中室長(仮名)1つご報告があります。」

室長
「ん?」

室長はパソコンを触るのを辞め、こちらを見ます。私は頭に血が上り、汗が止まりません。


「今日、〇〇に送る予定だった試験品を郵送し忘れてしまいました。」

室長
「は?納期はいつ?」

 

正直恐ろしくて室長の顔が
見れませんでした。


「納期は明日の午前中です。」

室長
「は?もう21時回ってるから配送は確実に間に合わないじゃないか!」


「すいま…」

室長
「で、どうするの?」


私の頭は真っ白になりました。配送が終わっているから先方に謝罪するしかないのではと思っていましたのでどうするという返事には上手く返すことができません。続けて室長は言います。


室長
「いいか?絶対に納期は守んだ。これにはちゃんとした理由がある。まず、納期を守らないと信頼を失う。信頼を失うと対等な立場で無くなる。取引先であっても、私たち企業は基本的には対等であるべきだと私は思う。ただ、そこに「納期遅れ」という単純ミスでの負い目があれば、立場的にこちらが下手に出なければならなくなる。もしかしたら無理な要求にもヘコヘコ答えないといけなくなってしまう可能性もある。無理なものはハッキリと胸張って無理と言える立場でありたいだろ?なら最低限、納期は絶対に守れ」


室長
「大体、他社メーカーとのコンペを控えているのにこんなバカするなよな。で、どうするの?」

配送会社が当日配達を締め切っているのであれば手段は一つしかありません。


「明日の朝一で新幹線に乗って、直接届けに行ってきます」

片道4時間かかる取引先へ朝一から出向くことを決心しました。

室長
「ちゃんとチームリーダーに事情説明しておけよ!」

と言いながら室長は出張申請書を私に渡し、記入を促しました。私はそれを記入しながら、室長に気になったことを聞いて見たのです。



「田中室長(仮名)は納期を絶対に守れって誰から教えてもらったんですか?」

室長
「何だ?納期にうるさいってか?(笑)」


「いえ、違います(笑)」

室長 「みんな納期に厳しいよ。さっき言ったように信頼を失うのは避けたいし、対等な立場でいたいと思うからね。まあ、昔、納期がどうしても守れなかった時があって、その時、取引先にひどい罵声を食らったのが大きいかもな。菓子折り持って誤りにいったら、全然許してくれなくて、最終的にはコップに入ったお茶を顔にかけられたんだよね。嘘みたいな話だろ?その瞬間二度と納期ミスするかって心に誓ったんだよ。」


「なるほど」


室長
「まあ単純に時間にルーズでだらしない会社だとは思われたくないからな。取引先には会社の代表として行っている訳だから、例えばキミが納期を守れなかったら納期にいい加減な会社というレッテルを貼られてしまう。そんなの嫌だろう?」


室長が言うように、納期を守れるかは信頼に大きく関わります。他社とのやりとりで納期に遅れることの重大さがとてつもなく大きいことを教えてくれたお話でした。特に会社であれば、当たり前ですが会社の代表として行く。当然その代表者の動きにより会社の評価自体が決まってしまうのだ。大きな金額が動く事業であれば、1人1人の社員の動きにも慎重でなければなりません。


本プラの教材にも「期限」について言及しています。

人は誘惑や怠惰な自分に勝てない生き物です。だらだらと業務をこなして、スピード感もなく作業量も少なくなればなかなか収入にも評価にもつながらないでしょう。

ですので、期限を決めて自分のやるべきことに対してのタイムリミットを設ける「納期を持つ」という考え方が、結果につながる最大のポイントとなります。「目標を達成したい」という強い思いを持ち、期限を決めて自分にプレッシャーをかけることを意識するようにしてみてください。

この記事を書いた人

遠藤彰

「本業+α」専属講師

今までインターネットマーケティングを教えてきた数は1000人以上。
パソコン知識が全く無い生徒でもインターネットから売上を上げることに成功している。

指導者としてだけではなくインターネットマーケッターとして活動。
飲食店の集客ではインターネット広告により年間1万人を来店させ売上アップに貢献。
通販ショップ、医療関係、学習塾など活動は多岐に渡る。

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