多額な利益を上げる貧乏経営者の特徴 「貸借対照表:BS」「損益計算書:PL」「キャッシュフロー計算書:CF」 会社の健康状況を知るには欠かせない3つのシートです。これら決算書は企業が毎年報告するいわば会社の通信簿のようなものです。銀行や公庫などの金融機関は、この決算書をもとに融資するかしないかの判断をします。 この3つのシートの中でも会社の保有する現金がいくらかを示す「キャッシュフロー計算書」は会社の倒産にダイレクトに関わってくるの項目ですので、しっかりと把握し足りなければ、どこかから調達してこなければなりません。今回のしくじりコラムでは、このキャッシュフローが回らず事業自体が黒字にも関わらず従業員への給料が払えず、倒産してしまった事例を紹介します。 10数年前、医療結果を報告書にする仕事への人材派遣業(主にデータ入力、データ出力) 初めのは1名のみの人材派遣だったがクリニック自体が一気に事業拡大を行い、最終的には30人くらいまで人材派遣の人数が膨れ上がった。 医療のデータということで秘匿性が高く慎重に取り扱わなければならないデータなので確認作業が多い。事業拡大によりデータ量も多く、一気に事業拡大を行ったため機材も不足気味になっていた。 どんどん仕事がきてしまい、納期に間に合わせるためには人も機械も足りなかった。そうなると必然的に残業が多くなり人材派遣もとへの人件費の支払いができず、キャッシュが回らなくなる。医療業界のキャッシュフローが悪く(入金3ヶ月後、最長6ヶ月後)資金が回らなくなり、利益は出ているが黒字倒産となった。 このしくじりエピソードから考えるに、問題は何点かあります。 売上入金が3ヶ月から6ヶ月後と考慮した資金計画ができていない 急な事業拡大をしすぎた 工数を減らす機材の導入をしなかった 叩けばまだ出てきそうではありますが大体この3つがすぐに考えられます。そしてこの3つに共通して言えることは数字計画(資金計画)の甘さという点です。 利益が出ていること≠資金があること 事業を行う上で大切なのはいつ、いくら支払い、いくら売れ、どれだけ利益が出るのか?それらを把握しコントロールすることです。数字計画を理解しておく上で大切な要素となってくるのは「利益が出ていること」と「資金があること」はイコールではないということです。これを抑えておかなければ例え事業が軌道に乗っていたとしても終始、資金繰りで苦しむ経営になってしまいます。 大抵の企業は「原材料の生産、製品化、販売、決済」これら商品の生産から販売決済フローの一部分の工程を担う場合がほとんどです。そうなると必然的に仕入れ資金とその商品の売上の現金化にはタイムラグが生じます。売上の入金は翌月にもかかわらず、光熱費や人件費は今月中に支払わなくてはならない事態が起こります。それに加えて企業間でのやり取りの商品の仕入れであれば月末に口座へ仕入れ代金を入金する必要があります。 このタイムラグが原因により、仕入れて利益が出ることが分かっていたとしても資金がなく身動きが取れない、計算上は黒字のはずにも関わらず資金ショートを起こしてしまい倒産せざる追えない「黒字倒産」ということも起こってしまいます。 黒字倒産はなぜ起こるのか? 横スクロールしてご覧いただけます 本プラの教材にも「数字計画」について言及しています。 事業を継続していく上でもっとも大切なのがキャッシュフローです。キャッシュフローがうまく回らなければ利益が出ているにも関わらず、資金繰りがうまく行かずに黒字倒産してしまう可能性も出てきてしまいます。売上の入金が2カ月後となっているのであれば、それに合わせて資金を調達しなければなりません。いつまでに支払わなければならないのか?そしていつお金が口座へ入金されるのか?ということを把握しコントロールしなければ継続的に事業を行うことは困難となります。個人でビジネスを立ち上げるのであれば尚更です。 資金計画において経営者の本音を覗いてみる ビジネスをやる上で安定した経営基盤は、お金と人材です。会社がどのように数字計画を立てるのかを知り、経営者の本音を学んでいきましょう。 次のしくじりを見る
この記事を書いた人 遠藤彰 「本業+α」専属講師 今までインターネットマーケティングを教えてきた数は1000人以上。パソコン知識が全く無い生徒でもインターネットから売上を上げることに成功している。指導者としてだけではなくインターネットマーケッターとして活動。飲食店の集客ではインターネット広告により年間1万人を来店させ売上アップに貢献。通販ショップ、医療関係、学習塾など活動は多岐に渡る。 その他のビジネスしくじり 続きを見る 納期と品質のどちらを優先すればという話をすれば、ほとんどの企業が「納期を優先する」と答えるのではないでしょうか? 「納期」と「品質」どちらを優先するか? 2019/12/19