1 2 3 4 5 6 「伝える力」のあとがき 重みがあり、相手に響く文章を書く コピーライティングの鉄則を「本質論」から紐解く 世の中には、Web上にパパっと書いた文章を載せるだけで月に数百万円の売上が発生すると言ったような「情報発信のプロ」が存在します。そのようなプロの文章は普通の文章と比べて何が違うのでしょうか? 一言で言うと彼らの文章は重みがあり、深いです。彼らはその重みのあるコピーライティングを使いこなし、自身の発信力のみで周りに周知され、売上を上げていくのです。 なぜ、彼らの文章は重いのでしょうか? そもそも重い文章とは一体何なのでしょうか? 今回のあとがきでは重みのある文章とは何かをコピーライティングの本質を基に紐解いて行きます。 重みを出すために最も大切なのは「あなたは何者か?」ということ まず、押さえなければならないのは「あなたは何者か?」ということです。あなたは何者か?というお客の声に文章で答えなければなりません。専門家の発言、プロフェッショナルという肩書のようなものがあれば最も良いですが、別になくても構いません。あなたという存在をハッキリさせた上で、あなたの考え方や思考、経験、夢を基にしながら発信するのです。 これがない上で、ただ単にコピーライティングのテクニックを基にして文章を作成してしまうと何とも重みのない文章ができてしまいます。重みのない文章には説得力、誠実性、信用信頼などビジネスおいて大事な部分が乗ってきません。「情報発信のプロ」にはこの重みがあるのです。 重みとは一体? 具体例を話そうと思うのですが、具体例を話す前に少し押さえてほしいコピーライティングの基礎をお話します。 コピーライティング基礎中の基礎として「読まない、信じない、行動しない」という“3つのない”があります。お客は常に3つの心理ブロックを持っており、その心理ブロックを取り除く文章の流れを構築するテクニックとなります。 コピーライターはこの“3つのない”を念頭に置きながら「世の中のニーズと自らの創造性との狭間」でうまくバランスをとりながら文章を構成しているのです。 3つのない 【読まない】自分の文章は絶対に読まれることがない いかに最初の1文目を読ませるか。 そしてどう読み進めて貰うのか。 【信じない】何を言ってもお客は必ず疑念を持つ お客の信用信頼を勝ち取る文章を構築 【行動しない】お客は文章を読んでも絶対に行動しない 行動(購入等)してもらえるようお客を導く このテクニックはコピーライティングを学ぶ上で一番始めに知る、基礎中の基礎ですが、「あなたは何者か?」という重みを乗せないままテクニック論に頼り切った文章では人は付いてきません。 少しこのままだと分かりにくいかもしれませんので、具体的に私が体験した事例を紹介します。両方とも中学生が発信していたSNSでの投稿になります。 Case01 ある日、SNSを見ていたらこんな投稿がありました。 『仕事を辞めたい人』は仕事を辞めればいい どうせ仕事はAIに奪われる! 今はブログやSNSを使って個人で稼ぐ時代! 仕事に対する意見というは気になる項目ですので自然と目に付いてしまいました。この投稿から考えるに、確かに体を壊してまで執拗に働き続けるのはいけませんし、夢や実現したいことがあり、当面の収入や事業の方向性、将来性の見通しが立っていれば、今の仕事を辞めるということには大いに賛成です。 「この投稿をしている方はどんなことをしようとしているのか?」「どんな人が発信しているのか?」気になってプロフィールを見てみると、まだ中学1年生…… ブログを書いているみたいでブログの記事を見てみると、会社員の大人に向けて「仕事を辞めよう!」という内容を書いていました。きっと「3つのない」のライティングテクニックを知っているのでしょう。文章の構成自体はいいのですが、どこか残念な気持ちが湧いてきました。 まだ勤めたことがない中学生に、 ・仕事が嫌でサラリーマンを辞めたいなら辞めればいい! ・今は個人で稼ぐ時代! というように言われても、納得できませんし信用もできません。情報発信をしようと頑張っているのは凄いことですし、先見の明があると思いますが「あなたが言うことではない」と残念ながら思ってしまいます。彼が書くブログ記事には個人で稼ぐためのノウハウが書かれた本の紹介(アフィリエイト)がありましたが、購入する気にはなれませんでした。 Case02 事例1と同じように中学生のSNS投稿です。 今月の目標! ・ネット(ブログ)収益:3万円 スポンサー料:1万円 アドセンス:1万円 アフィリエイト報酬:1万円 ・プログラミングの勉強 ・15記事執筆 ・月内のテストで県内50番以内 大変だけど、個人で稼げるようになるために頑張る この投稿を見て、すごい意欲的な子だなと思ったと同時に「なんて素晴らしい子なんだろう」と思いました。この子は中学3年生で行きたい志望校(県内で偏差値1位)のために受験勉強を頑張りながら、Webに可能性を感じて独学で勉強している子でした。 ブログをやっていたのでブログ記事を見てみると、この子はWebマーケティングを勉強し、その学んだことを自身の学校生活に落とし込み自身の学校生活の中でWebマーケティングはどのように使われているかをまとめていました。中学生であることを強みとしていたのです。 その記事は大変魅力的でした。記事の最後でその子が読んだ本を紹介しており私はその記事から本を購入しました。(応援の気持ちも込めて) 事例を読んでみて、いかがでしょうか?2人の子がやっていることは同じアフィリエイトです。それぞれの考えを文章に乗せて書いていますが、明らかに事例2で話した子の方が魅力的に映るのではないでしょうか? ただ単に稼いでいる大人の真似事をして、「サラリーマンはいけない、今の時代は個人で稼ぐ時代」なんてもっともらしい事を配信するよりも、等身大の自分で経験や背景、歴史を通して、それを文章で表現する そこから説得力、誠実性、信用信頼が生まれるのです。さらにその中で「学びのエッセンス」が一滴でもあれば発信者が子どもとか関係なくファンが増え、それがビジネスへとつながっていくのです。売上を上げている情報発信者は必ず自分は誰かの価値づけを大切にしています。 “3つのない”のようなコピーライティングのテクニックも非常に大切です。 大切なのですが「あなたは何者か?」というような自分の発信した情報を受け取った人がどのような気持ちになるのかを想像しながら、文章を書いていくということを理解することの方が大切なのです。 そのような人間の本質を理解した上でライティングのテクニックが活きてくるのではないのかと思います。 1 2 3 4 5 6 前に戻る
10章の収録内容 伝える力 伝える方法の種類と伝える力の本質傾聴力=聞く力 伝える方法の種類と伝える力の本質話す力・書く力 伝える方法の種類と伝える力の本質描く力 伝える方法の種類と伝える力の本質心に響く言葉をつくる力 ビジネスにおいて伝えることの難しさ 全てにおいてお客が望む人格をつくること お客への伝わり方を意識する お客は理屈ではなく感情でしか購入しない あとがき 重みがあり、相手に響く文章を書くコピーライティングの鉄則を「本質論」から紐解く